次に目が覚めた時、あたしは病院のベッドの上だった
「……つっー…」
頭がまだがんがんするぜ
体を起こそうとした時、腕に違和感を覚えた
ふと、腕に目をやると……
「えっ」
あたしの腕に手を置いたまま、
隣人が、…寝てたんだ
「はぁー……」
また夢にみちまった…あの日のことを
いい加減忘れたっていい過去なのに、それが出来ねぇ
これだからまだ弱くなっちまうのかな
ガラッ_______________
「明星ちゃん起きたの?」
「美思」
美思に続いて、輝星、壱、颯そして光瑠と入ってきた
けど、その中に奏風の姿はなかった
「!よかったぁ〜明星ちゃーん!」
「藤堂さんよかったよ、目覚めて」
などなど口々に言ってきやがる
美思なんて泣いてわめいて……けど、それを嬉しいとか思ってやがる自分も、やだ。
「奏風は……?」
あたしがそう聞いた時、みんなが一斉に黙る
バツの悪そうな顔して、俯いて。
「なぁ、奏風はって」
もう一度そう聞いた時、口を開いたのは、壱だった。
「あいつは、もう来ない」
「は?」
奏風はあたしに姿を見せず、消えた……
ほら、最後は結局そうなんだよ。
信じてた人ほど、信じたいと思った人ほど……
離れていく。
人前では絶対に泣きたくねぇって性格のあたしの目からは……
涙がこぼれて、布団の上にシミを作っていた
「……明星ちゃん」
何でだよ…
“明星…明星のこと教えて”
覚悟なんてかっけぇもん、あたしにはねぇよ
だけど、話しておけばよかったかなとか思っちまう
“俺が世話人してるやつ。”
“こいつには触んなよ”
なぁ、奏風。
お前の言葉ひとつひとつが、どうでも良くても
心に残ってんだよ……
なんで、なんであたしは……
いつの間にこんなに信じてしまってたんだ?
「……ぁああああ!っ…!」
いつからこんなに……好きになってたんだよ
泣き叫ぶあたしのことを静かに見守っててくれた
壱、颯、輝星
頭にそっと手を置いて、慰めてくれてた
光瑠…お前は一番奏風と仲良かったもんな
切なさそうにあたしの顔を見ながら、そっと、手を不器用に握ってた
隣……光都
あたしを抱きしめてくれてた
美思
あたしはいつの間にか…皆の事を信じてしまってたんだな…
だからこんなにも弱くなっちまってたのか
あぁ、もうダメだ。
美「ねぇ、信じて?私たちを」
輝「あかりっちに何があったのかわかんないけどさ」
光瑠「……っ、たとえ過去にっ…ぅ…でっかい闇があってもさっ…」
泣きながら言って終いには、声も裏返ってるよ
壱「俺たちはずっと明星のそばにいるよ?」
颯「少なくとも俺らは信じてるけどね」
光都「忘れろなんて言わねぇよ。辛い時は泣け。楽しい時は笑え。無理にそばにいろとも言わねえから。」
__仲間になれよ(なってよ)!ていうかもうそういうもんだよね?_______________
みんなの言葉がひとつひとつ心にしみてきて
涙がこれでもかって出てきたんだ
何年ぶりだろうか……こんなに泣いたのは
ましてや人前で。