ここから帰ったら、この町の出来事をみんなに教えてあげてもいいかもしれない。


みんな、変な夢を見ていたんだなって笑うかもしれない。


だけど心の中に少しだけ留めておいてくれるかもしれない。


「じゃぁ、僕はそろそろ行くよ」


カエルを見ると、今まさに涙をぬぐったところだった。


「あぁ。町に戻っても元気でな」


カエルの声が震えている。


必死で涙をこらえている。