「【捨てられた町】の住人たちも、ありがとう! 僕はこの町の事を絶対に忘れないから!」


僕は声が届く限りに叫んだ。


【捨てられた町】は捨てられた物の魂が集まる町。


人間がいらないと思って捨ててしまった物たちは、まだまだ使えたり、絶品のお菓子に変化を遂げたりしている。


人間はまだまだ気が付いていないんだ。


物の可能性、簡単に捨ててしまうことの愚かさに。