まだ愛菜に告白をしていなくて、みんな仲がよかった頃。


僕は確かにあの中にいたんだ。


テスト前には良と一緒に勉強をして、体育の授業では優弥と一緒に駆け回って、そして休憩時間には浩とミサの漫才を聞いて笑っていた。


思い出すと胸の奥がジワリと暖かくなる感覚がした。


あぁ……帰りたいな。


そんな気持ちがフワッと浮かんでくる。


「僕は……あそこにいてもいいのかな」


僕は誰ともなくそう声をかけた。


「いてもいいに決まってるでしょ」