「今は僕が目を覚ましていないから、みんな僕に優しくしているだけかもしれない」


「どうしてそんな風に考えるんだ?」


そう言ったのは写真だった。


僕が浩の優しさを疑っているから、その表情は険しくなっている。


「だって、みんな1度は僕を裏切ったから」


また今度、いつ裏切られるかわからない。


一度味わった恐怖はそう簡単には消えてくれない。


「その時は、またここへ来たらどうだ?」


本がそう言ったので、僕は驚いて目を丸くした。


「またここへ来ることができるの?」


「あぁ。眠っている間に行き来くらいできるさ」