そう言って東吾が立ち上がってスマホを見る。


「あっ!俺帰んなきゃ!」


「あっ!私も!!」


公園の入り口まで一緒に行くと、突然東吾が私にリストバンドを渡してきた。


「え?・・・リストバンド?」


「由紀にやる。俺のリストバンド、中に文字書いてあるから。今の由紀にぴったりだと思う。」


そう言うと私の手首にリストバンドをつけた。


私はちょっと待ってと引き止めて東吾に言う。


「私のリストバンド!東吾にあげる。・・・これで同じでしょ?私のリストバンドには文字書いてないけど。」


「じゃあ、・・・・今度会ったときに書いてよ。多分、由紀とはまた会うから。そんな感じする。」


私がリストバンドを東吾につけてるとそう言った。


「よし。じゃあまたね、東吾。」


「おぅ。またな、由紀。」


公園を出ると反対方向に歩く私達。


夕日が長い影を作る。


私は手首につけてもらったリストバンドの裏を見る。