話している東吾の顔は私より悲しい表情をしていた。


ライバル。


嫌だって思うけど、頼りになるところもあって、実はライバルって存在がいたから頑張れたところもあって。



なのに、あんな言い方されたから腹が立った。



でも、いつまでもそんなことに落ち込んでガッカリしている時間はない。


そんな時間いらないんだ。


それよりも、私にはやりたいことがある。


「・・・・・・東吾。私、悠香に勝ちたい。だから、私にバスケを教えて。東吾のバスケで私は悠香に勝ちたい。」


東吾のバスケは自分のプレーだけじゃなく、味方の良さを生かすプレーだ。


だから、私も東吾みたいにそんなバスケをしたい。


東吾に教えてもらったことを自分のプレーに生かしたいんだ。


私が返事を待っていると東吾が顔を上げた。



「・・・・・いいよ。でも、俺にも由紀のバスケを教えて。」


「え?私のバスケ?」