負けたのにヘラヘラ話す悠香。


何でそんなに軽く話せるのかが分からない。


自分のチームが負けたのに。


「なんか、元気だね。」


私がそう言うと悠香は笑って言った。


「だってー、自分が試合に出たわけじゃないしね。それに私は私が出た試合が勝てればそれでいいもん。正直先輩が負けたからって、どうでもいい。私が出た時に勝てばいい話じゃん?」


「だよなー!人の試合より、自分が勝てればそれでいいもん!!自分の出る試合で自分が納得するプレーが出来たら満足だわ。」


瞬間、私の中で何かがプツンと切れた。


は?


自分が良ければそれでいいってこと?


なにそれ。


じゃあ今までも、中学の時もそんなこと思ってたの?


私達のモットーはチームプレーを大切にすることだったのに。


ふたりの言葉にキレたのは東吾も同じだった。


「・・・・・颯十。そろそろ戻った方がいいんじゃない?」


「ん?あっ、そうだな!じゃあまたな、東吾。あと、由紀ちゃんだっけ?」


颯十っていう人は私の頭をポンポンとして歩いていった。