あの時も後5分だった。


どうしても勝ちたかったあの試合。


綺麗に決まった悠香のレイアップシュート。


この試合も何か起こるんじゃないかなって思った。


「あっ!!」


急に隣にいた東吾が立ち上がった。


目線の先にはコートの真ん中から放ったスリーポイントシュートを放つ赤のユニフォームを着た人。


綺麗な円を描いてゴールに吸い込まれる。


「ピーーーーーーーーーッ!試合終了!!」


「「・・・・・・・・・・・凄い。」」


さっきのスリーポイントシュートが決勝点になって赤の常連校が勝った。


これでなんと2回連続の優勝だ。


やっぱり凄いなー。


あの場面で堂々とスリーポイント打てるなんて。


会場からは両校に対して大きな拍手が贈られる。


「凄かったね。最後のシュート!!初めて見たし、あの場面で出来るって凄すぎ!!」


興奮が冷めなくて身振り手振りつけて話す。


「だよなー!!やっぱスゲーよ!!見に来て良かったー。」


会場の外に向かいながら歩いていると外は雪が降っていた。