私は袖をまくってリストバンドを見せた。


東吾も笑ってリストバンドを見せる。


東吾が言ったんだよ。


越えろって。


だから私達は大丈夫。


「ピーーーーーーーーーッ!」


第2クォーターが始まった。


すると、さっきまでとは一変。


黒の挑戦校がどんどんポイントを重ねる。


点差はあっという間になくなって、逆に5点差までひらいた。


バスケはそういうところがおもしろい。


さっきまでとは全然違う動きをせたり、見たこともないプレーが突然起きる。


1時も目を離しちゃいけない気がした。


5分ごとにディフェンスとオフェンスが何度も切り替わる。


そして第3クォーター。


なんと同点。


決勝で同点なんて珍しいっていうか、普通の試合でもまず有り得ない。


やっぱり決勝って何があるか分かんないな。


試合が始まると両校の応援もどんどん激しくなっていく。


そして、試合終了まであと5分。


この時間は絶対に忘れらんない時間になるって私は思う。