「ふーん。・・・・・・高校でもやるの?バスケ。」


「考え中。嫌いじゃないけどね。」


「ふーん。俺は続けるよ。・・・・・まだ辞めれないから。」


東吾はリストバンドを真剣に見た。


「そっか。」


「由紀はライバルに勝てなくて泣いてたってこと?」


「・・・・・・うん。そうだね。」


「まだ、勝ちたいって思う?」


「・・・・・・今はなんか、無理なんだって思っちゃう。さっきまではなんで努力しても駄目なんだろって思ってたけど。」


「なら、・・・・・・・・諦めんな。」


「・・・・え?」


急に東吾が真剣な顔で言った。


「まだ、勝ちたいって思うなら絶対諦めちゃ駄目だ。・・・・・・そいつを越えたいって思うなら諦めんな。」


なんで、そんなに諦めんなって言うの?


そんなこと言われたの初めてだから戸惑う。


「なんで東吾は諦めんなってそんなに言うの?」


私が聞くと東吾は私を真っ直ぐ見て言い放った。