ふと応援の方を見ると、東吾が真っ直ぐ私を見ていた。


リストバンドを持ってシュートを決める真似をしていた。


・・・・・・自分で決めろってこと？


多分そういうことだと思って私は頷いた。


するとちょうど私にパスが回ってきて、いつもならパスするところを自分から相手を交わしてシュートしに行く。


ボールは綺麗にゴールを通り抜けた。


レイアップシュートが綺麗に決まった。


白チームからは大歓声。


私も嬉しくて笑ってしまった。


そして試合終了、点差は2点差。


最後のレイアップシュートが決勝点となった。


先輩からたくさん褒められたし、真由にも凄かったと言われた。


東吾を探していると、体育館の外に出る東吾の姿。


「東吾！！・・・・・さっきはありがとう！」


「ううん。決めた由紀が凄いんだよ。良かったな。勝てて。」


「うん。自分で決めたら凄く気持ちよかった。東吾っていつもあんな気持ちになるんだね。」


「まぁ、点取り屋だっていいことばっかりじゃないけど。でも決まった時はやっぱ嬉しいよな。」