さっきまで堪えていた涙が溢れ出す。


頭の中ではさっきのレイアップシュートが繰り返し思い出される。


どうして、どうしてなの?


悠香よりもたくさん練習したのに。


ずっと努力してきたのに。


・・・・・・・・・努力したって無駄じゃん。


才能のある人にはどんなに努力しても勝てない。


私は悔しくて悔しくて、泣きながら走っていた。


近くの公園に入って1度立ち止まる。


私は蕾が出ている大きな桜の木の下に立った。


深呼吸して呼吸を整えるとまた涙が出てきた。


私はその場にしゃがみ込んで泣いた。


「どうして、・・・・・・・なんで勝てないの!?・・・・・・誰よりも、頑張っ・・・って来たのに!!」


気に向かって泣きながら話す私は周りから見たら変だろうけど、今はそんなの気にしない。


私が泣いていると、突然上からタオルが降ってきた。


「・・・・・・・・・・・な、にこれ。タオル?」


「それ使えば。」


後ろを振り返ると見知らぬ男の子。


私が男の子の顔を見ると突然笑い出した。


「ちょっ!!・・・・ぷっ、あははは!顔やばいぞ!!・・・・・・・とりあえずそれで拭けよ。」