「頑張れよ。」


それだけ言って体育館の中に入る。


私が外周嫌いなの知ってたんだ。


なんか、今の一言だけで頑張れる気がする。


たまに思うんだ。


東吾の言葉は魔法の言葉なんじゃないかって。


こんなこと言ったら馬鹿にされると思うけど、東吾がくれる言葉は私に前を向かせてくれる。


どんなに落ち込んでいても、立ち上がれるような言葉をくれる。


いつも、東吾にはもらってばっかり。


いつか私も東吾になにか言えたらいいなって思うんだ。


「じゃあ30分走るよー!気合い入れていこーねー!」


「「「「「はい!!」」」」」


キャプテンの合図で始まった。


今日はいつもより調子がいい。


きっとさっき東吾に声かけられたからだ。


私はいつもよりペースを上げて走った。