中学最後の試合。


受験も終わって後は合格発表を待つだけ。


俺には互いに認めるライバルがいる。


名前は宮崎颯十(みやざき はやと)。


中学に入った時から俺たち2人は目立っていた。


最強の2人とか、バスケコンビとか、色々言われてきたけど、実際俺は1度も颯十に勝てなかった。


シュート率もブロック率も負けていた。


1番凄いのは颯十で、その次に凄いのは俺。


そんなレッテルを周りから貼られるのが嫌だった。


どうしても颯十に勝ちたかった。


だから、受験が終わってからすぐにまたバスケを始めた。


最後の試合颯十に勝つために。


俺は試合前に颯十に話しかけられた。


「最後も俺が勝つからな!まぁ、楽しんでやろうぜ。」


俺は絶対に負けないと心に決めた。


前半はお互い譲らない戦いでほぼ同点だった。


でも試合終了まで後1分。


颯十のボールをカットしようと俺はディフェンスしていた。


でも、パスと見せかけてドリブルで抜かれた。


そう思った時にはもう遅い。


綺麗なスリーポイントシュートが決められた。


そのまま試合終了。


3点差で負けた。


「楽しかったなー!東吾。高校別だけど、またバスケしような!!」


「・・・・・・そうだな。」


俺は何も言えなかった。