初めは私達のチームが優勢だった。


でも、試合終了まで残り3分。


悠香がスリーポイントシュートを打って同点になった。


私はこれが最後のシュートだと思ってボールをとりに行く。


でも、パスされたボールを悠香にカットされた。


そしてそのまま綺麗なレイアップシュート。


2点差で負けた。


まただ。


最後の最後まで私は悠香に勝てなかった。


3年間やってきたのに勝てなかった。


そのまま試合は終わって、最後にミーティングをした。


私は部長らしく後輩に話した。


「私達が出来なかった優勝を後輩のみんながこの夏してくれると嬉しいです。3年間、ありがとうございました。」


みんなから拍手がおきる。


でも、私はこの日のことは負けたこと以外何も覚えてない。


最後の綺麗なレイアップシュートだけが頭の中をよぎる。


私は部室に置いてた自分の荷物をリュックの中に入れていた。


すると、荷物を持った悠香が入ってきた。