真由が必死に悠香に食らいつくけど、すぐに交わされる。


絶対中学の時よりも格段に上手くなってる。


バスケが上手いところはやっぱり尊敬するけど、チームプレーを大事にしないのは絶対嫌だ。


今だってそう。


周りにパスを出すことなく自分でゴール下まで持っていく。


あれじゃあ、同じチームの人が気の毒だよ。


後半に入れた6点は全部悠香1人で入れたもの。


それで勝って嬉しいのかな?


1人黙々と考えていると笛が鳴った。


「ピーーーー!!試合終了!!」


結果は51対68。


17点差か。


コートからスタメンのみんなが戻ってくる。


私は真由にドリンクを渡そうと歩いて行く。


「真由。お疲れ様。」


でも、真由は頭にタオルを掛けたままこっちを見ようとしない。


「真由?大丈夫?」


「・・・・うん。今は一人にしてほしい。」


そう言って体育館の外に行ってしまった。


やっぱり・・・・・・・ショックなのかな。


悠香に勝てなかったこと。