私はみんなの元に行ってタオルやドリンクを渡す。


そしてアップをしている悠香を見ると嫌な感情が生まれてくる。


勝ちたい。


勝ちたい。


自分の脚が動かないのがもどかしい。


すると、突然視界が真っ暗になった。


私がびっくりしていると後ろに東吾がいた。


「もう!急にタオルかけてくるからびっくりしたじゃん!!」


「だって、由紀が眉間にしわ寄せてるのが悪い。」


「え?・・・・・気づかなかった。」


そっとおでこに手を当てる。


「・・・・・・・・・絶対勝つから。由紀は悠香だっけ?そいつと戦うのはお預けだけど、今日は俺が活躍する日だと思って応援しててよ。」


自信満々で言う東吾を見ていたら、さっきまで考えていたことが何でもないように思えてきた。


「そうだね。今日は東吾デーだから、私のことより東吾のことを応援してるよ。頑張れなんて言わなくても頑張ってるの知ってる。だから、・・・・・・・緊張すんな!!」