「あの馬鹿め」
 

もし相手が、普通の人間であったら――妖異怪異の類であったら――


「………」
 

今は、自由にさせておくか。
 

恋ごとに、じいさんが顔を突っ込むのもあんまりだ。
 

でもいつか、黎――あの孫が、恋人の紹介なんてしてきたら……。


「……ずっと一緒にいてくれる子なら、よいか」
 

ぐりぐりと、門叶の頭を撫でまわした。
 

楽しみに、待っているぞ。