「はい。……昨日は気まぐれに吸血鬼の尾行をしていたのですが、ぷつりと気配が途切れてしまいまして……」


「お前の気まぐれにはいつも感心させられるな」


「ありがとうございます」


「しかし、それはあれがお前に気づいて姿を消したと?」


「いえ、それはないと思います。そうですね……吸血鬼が自分から消したと言うよりは、何かに呑み込まれた――ような」


「………」
 

呑み込まれた?


「……その後はどうした? いつあれが戻ったとか……朝にはいたんだろう?」