……いや、それともどこか違う。


完全な妖気ではなく、若干人間の持つ霊力の波動も感じていた。


人間と妖異が混じった存在? そんなのは数多(あまた)といる。
 

人間を傷つけるだけの妖異怪異は存在しない。
 

それ相応の理由があって、人間を害する。
 

それ相応の理由がないと、妖異怪異は人間に危害を加える発想がない。
 

この世の理のようなものだ。
 

前提、人間に認知され、存在するのが妖異怪異であるから。


(もうあんな目に遭わなきゃいいけど)