何をするのか問えば、紅亜はにっこり微笑んだ。


「そういう自分じゃ解決出来ないどうしよもないときはね、こうするといいのよ」
 

と、筆を半紙に置いた。


「………」
 

真紅は半ば呆然としながらそれを見ていた。


「――こんなとこかしらね」
 

満足げに呟いた紅亜が書いた文字は――



『また逢えた』

 

――だった。


「あの、ママ……私逢えてないよ?」
 

逢える方法がわからなくて途方に暮れていたのに……。