いつの間にか、後ろにいた。


先生からしたら、そうなんだろう。



たった一瞬の動きで、先生はどちらが強いかを悟った。




『いきなり生徒に手を上げようとするなんて、先生さいてーい』



反応がなくて、前方に移って顔を覗く。


先生の顔は真っ青だった。




『……本当に、円堂仁奈、なの?』


『うん』


『なんで、ここに来たの』


『復讐するため』


『っ!?』




ここからが、本番。

楽しい復讐をしよう。



私は扉をバタン、と閉めた。


悲鳴すら発せられない先生と、向かい合う。



『どうして、私をいじめたの?』



一歩近寄れば、一歩退かれた。