『じゃあ、どうして?』


『え?』



『どうして先生は、いじめたんですか?』



虚を衝かれた先生は、笑顔のままの私を怖がっていた。



『い、いじめたことなんかないわよ?そんなデマ、誰から聞いたの?』


『円堂仁奈』



答えの代わりに情報を付け加えれば、先生の喉からヒュッと薄い息が漏れた。



いくら欺こうとしたって、無駄。

先生の1つ1つの言動が、肯定を示してる。




『な、んで、その名前を……っ』


『もし、私が円堂仁奈の生まれ変わりだと言ったら、先生はどうします?』



笑顔の仮面を付け続ける私に、先生は絶句した。



仁奈さんと同じ苗字、同じ瞳の色、同じ髪の色、同じ髪型。それに、昔のいじめを知っている。


生まれ変わりだと思い込ませるには、十分だった。