こうなったら、あとでいろいろパシってやる。覚えてろよ。



「早くしろよ」


「黙れ、ちょろ犬」


「んだと!?」



桃太郎に怒りをぶつけながら、ぽっちゃりくんに肘鉄を食らわした。


緩んだ腕を両手で掴みながら、柔道有段者の剛の真似をして、ぽっちゃりくんを地面に投げ飛ばす。



手を払いながら、ふぅ……と軽く息を吐いた。



「人質に私を選んだこと、後悔したでしょ?」



私だって神雷の一員なんだから、これくらいできる。



でも、助けてほしかったの!守ってもらいたかったの!


皆、私のわがままに付き合ってくれてもよかったんじゃないの?




「さっすが、幸珀クン。やるねぇ」

「どうも」


含み笑いしながらからかってくる弘也を、きつく睨みつける。



今の私は、かわゆい幸珀ちゃんだっつの。



「皆、私を助けなかった罰として、何か1つ奢ってね」


「はあ!?」


「よろしく」



声を上げたたかやんに、イタズラな笑みを向けながら、いーっと唇の両端を横に引っ張った。



仕返しだよ。

皆が助けようとしなかったのが悪いんだからね。


たっぷりパシってやるから、覚悟しときなよ?