チラッと凛の方を一瞥したら、凛の手のひらが私の頭を包み込んだ。




好き、だなあ。



凛の温度を感じる度、胸の奥がきゅぅっと縮こまって、熱くなっていく。


苦しいのに、その苦しさを愛おしいと思う。



ずっとそばにいてほしい。


その願いは、淡く消えてしまわずに、どうか鮮明に輝きを増していきますように。





「見つけたぞ、神雷!!」


ふと、背後から荒々しい声が突き刺さった。



……人が珍しく愛について真剣にモノローグを語っていたのに、割って入ってきたのはどこのどいつだ!?


乙女チックムードをぶった切った罪は重いぞ!!




殺気立ちながら、振り返る。



背後にいたのは、先程桃太郎に瞬殺された、太った男と細身の男だった。


しかも、2人は殺られたことをすっかり根に持っていて、多くの不良を引き連れていた。



仲間を連れてきやがった……。


チビなちょろ犬になすすべなく倒されたのが、そんなにショックだったのか。