それは、昔のことを言っているのかな。
委員長に相談した、あの時のことを。
……そっか。
私達は“あの日”から、想いを交わらせていたんだね。
「お前は?」
「え?」
「お前は、俺のどこを好きになったんだ?」
質問を返されて、ほのかに戸惑う。
心臓が、忙しなく跳ねる。
一言で言ってしまえば、かっこいいところ全部、だけど。
「私は、最初は凛のなんでもできて大人っぽいところに惹かれたんだ」
「俺、大人っぽいか?」
「えっ、自覚なし!?」
神雷の誰よりも大人っぽいと思うよ?
寝坊助で無気力なところを差し引いても。
いわば、神雷のおとんだよ!
「でも、だんだんと、ひとりひとりをちゃんと見てくれる優しい人だなってわかって。……多分、そこから、本気の恋になったんだと思う」
想いの始まりを改まって伝えるのは、なんだか照れくさいな。
恋する乙女の階段を、駆け足で上っていってる気がするよ!