「幸珀、美味しそうなケーキがいっぱいだったよ。取りに行かないの?」
「し、師匠……」
師匠の笑顔は、相変わらず癒し効果抜群ですね。
「今、取りに行こうと思っていたところです!」
「じゃあ、一緒に行こうよ」
「はい!」
仕方ない。ケーキに罪はないんだ。
今だけは、ムカムカを忘れてやろう。今だけは!
さあて、お腹いっぱいになるまでケーキを食べ尽くすぞー!
私は皆と共に、お皿に好きなケーキを取っていった。
ここは天国ですか?
そう思うくらい、幸せになるエッセンスがふんだんに散らばってるんですが。
明日急に不幸なことが続いたりしないよね?
苺系のスイーツを、全種お皿に盛り付けていると。
「ねぇ、あそこにいる男子達、かっこよくない?」
「わっかる!顔面偏差値高すぎ!!」
「ちょっと悪っぽいところがまたいいんだよね~」
店内にいる女子達の興奮気味な小声が、あちらこちらから聞こえてきた。