ちょろすぎだろ。
さすが、凛の忠犬。略して、ちょろ犬。
「ちょろ犬、ファイトー」
「チビ助、無事に戻ってこいよ~」
「幸珀、弘也、あとで覚えてろよ!?」
私と弘也は桃太郎をからかいながら、顔を見合わせてニヒヒと不敵に笑う。
いやあ、やっぱ、桃太郎をからかうのは楽しいねぇ。
すると、桃太郎が太った男と細身の男の前で仁王立ちした。
「お前ら、あの女の人に謝れ」
「なんだ?このチビ」
「チビ言うな!!」
細身の男にまで身長を指摘され、桃太郎は露骨にムッとなる。
はいはい、可愛い可愛い。
私より可愛い子ぶるのやめろ。
「つか、なんで俺らが謝んなくちゃいけねぇんだよ」
「お前らが悪ぃからに決まってんだろ?わざとぶつかったってバレバレなんだよ!そこまでして女と関わりてぇのか!?」
おぉ、すごい。
まるで小学生が大人に歯向かってるみたいで、ウケる。