「通行の邪魔はお前らだ!」


「彼女に謝れ!!」



師匠と真修は、太った男と細身の男の前に立ちふさがり、勇ましく声を荒げた。


神雷の本領発揮、って感じかな。



「はあ?なんだよてめぇら」


「俺達を知らないのか?だったら教えてあげよう。俺達は――神雷だ!」



……あの、師匠?



太った男に聞かれて答えたまではいいんですけど、わざわざ決めポーズまでしなくてもいいんですよ?


すごく目立ってます。やめてください。




「じ、神雷!?」

「嘘だろ!?」



太った男と細身の男は、神雷という名に一気に恐れ、焦り出す。




この地域に住む者だったら誰もが知っている、最強暴走族・神雷。



けれど、その神雷のメンバーの顔や名前は、族関係者や神雷のメンバーに恋する女子ならともかく、

普段不良に関わり合いのない一般人には、あまり知られていない。



だからこそ、神雷は、あくまで噂では変なイメージがないのだ。