話し合いが始まった。


話し合いといっても、ほぼ私に謝罪させるだけの、価値のない内容だった。




『どうして息子を殴ったの!?』



Bくんの母親のヒステリックな問いかけが、ぶつけられる。



『息子をいじめて、怪我させておいて……よく平気な顔して座ってられるわね!』



BくんがAくんをいじめてた事実を、知らないんだろうな。


先生はクラスメイトに聞いているはずなのに、教えなかったんだ。




『謝りなさいよ!』


『……謝ってほしいの?』



ジロリ、とBくんを見据えれば、顔面蒼白になって頭を振った。



でしょうね。

私が謝っても、Bくんに本心だとは思ってもらえず、逆に「何か企んでるんじゃないのか」とネガティブ思考を植え付けるだけ。




『ちょっと、あなた!うちの息子を怖がらせ……』


『謝りなさい、幸珀』



Bくんの母親の怒声を遮って、お母さんが凛とした口調で言い放った。


お母さんにそう言われるとは、想像していなかった。