委員長なら、解決先がわかるかもしれない。


私は委員長に期待と希望を託して、クラスでのいじめの件を相談した。




『それで、どうすればいいのかわからずに悩んでいるのか』


『はい……』



全て話し終えると、委員長は顎に手を添えて、考える素振りを見せた。


短い静寂が漂う。



委員長の薄い唇が、『じゃあ』とかすかに動いた。



『ヒーローか悪役になればいいんじゃねぇの?』


『ヒーローか、悪役に?』


『ああ』



どういうこと?

大きく首を傾げる私に、委員長が詳しく説明する。




『例えばヒーローなら、やめろって注意するだけじゃなく、助けたい人のために矛や盾になってあげるんだ』


『悪役なら?』


『そっちはあんまりおすすめしたくねぇけど、いじめてる側にいじめられてる側と同じような目に遭わせるんだ』


『私、どっちかといえば、ヒーローになりたいです』


『悪役になりたいとか言いだしたらどうしようかと思ってたぜ』