Bくんが同じクラスだということにすら、気分を害す。



『ちょっと、あんたら』


『あ?なんだよ』



クラスメイトがほぼ全員見て見ぬフリをしている中で、私だけが唯一、威張っているBくんに声をかけた。




『いじめるなんて最低。今すぐやめて』


『チッ、でしゃばんじゃねぇよ!たかが風紀委員の分際で』


『そうだよ、私はえらーい風紀委員なの。だから言うこと聞いて』


『優等生ぶってんじゃねぇよ!!』




ぶってるんじゃない。優等生なの。



どれだけ反抗しても退かない私に、Bくんはどんどん不機嫌になっていく。


短気だなぁ。

この程度で怒ってたら、この先やっていけないよ?




自分勝手で理不尽で、自分の思い通りにならないと気が済まない、わがままなおこちゃま。それが、Bくん。


対してAくんは、引っ込み思案で気弱でおとなしい、メガネが似合う泣き虫。


いじめに巻き込まれないように他人のフリを続けて、周りに合わせている、自分第1のクラスメイト。



まさか、もうすぐ5年生になるこんな時期に、このクラスの脆い本性があらわになるとは思わなかった。