震えすぎだろ。
「おーい、大丈夫かー?」
剛の脇腹を人差し指でツンツン攻撃しながら、聞いてみた。
「やめろ、触んな!うっぜぇよ!!」
「暴言吐ける元気はあるんだね。なら大丈夫だ」
縮こまっていた剛が張りのある声を出したので、私の元気度テストは見事合格だ。おめでとう。
剛が大丈夫だとわかったところで、扉を開けますか。
扉の取っ手を掴むと、剛が私の肩を軽く叩いた。
なに?どうしたの。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。深呼吸するから」
……もしかして。
作戦に剛が参加していることを神雷に秘密にさせたのは、この件が解決するまで真実を教えたくないという、剛なりのプライドだと考えていた。
でも、そうじゃなくて。
ただネガティブで臆病なだけ!?