「剛は、私の偉大さをわかってないな?」


「あ、着いた」


「無視すんな!」



……って、もう着いたの?


いつの間にか、会話のテンポに乗じて、歩くスピードが速くなってたのかな。




正面にそびえ立つ、オカルトさが漂う洋館。



何度見ても、ボロいな。


こんなに汚い外装なのに、中は眩しいくらい輝いてるし。


いろんな意味で、詐欺ってるよね。




「中入ろ、ご…………う」


「お、おおおお、おおお、おう」


「『お』多すぎ。とりあえず落ち着け」



隣の剛は、地震でも発生させてしまいそうなほど、震えていた。



ガクガクブルブル、全身がこ刻めに揺れてる。


こっちにも振動が伝わってくるんですけど。