うぅ、自分のかっこよさが憎い……っ。


もっと女子力があればよかったのに。




また絶叫しかけた私の視界の隅に、時計が映りこんだ。



ハッ!こんなことをしている場合じゃない!


責任もって、神雷にいる師匠が大丈夫かどうか確認するんだった。




私は勢いよく部屋を飛び出し、玄関でスニーカーを履いていると。



「幸珀、あんたさっき『ただいま』って言わなかったでしょ」


「痛っ!」



ダイニングキッチンから出てきたお母さんが、私の頭を叩いた。


お母さん!叩く時は手加減してっていつも言ってるじゃん!



「ご、ごめんなさい……」


「わかればよろしい」



私の両親は、すごく強い。



私なんか比べ物にならないくらい、強い。


ついでに、そんな両親の遺伝で私も強い。