「そのヒーローがパーカーを着てたから、パーカーマン。いい名前だろ?」
いいえ、全然いい名前ではありません。
「このパーカーも、パーカーマンを真似して着てみたんだ!」
そうですか、似合ってますよ。
棒読みの返答をしたくても、できなかった。
なぜって?
それはね、思い出してしまったからだよ。
「どうした?幸珀。顔真っ青だぞ?」
それはきっとお前のせいだよ。
えー、えー。真っ青でしょうとも。
全身の血が引いてってるよ。
「も、もしかして……幸珀もパーカーマンを知ってるの?だから、そんな慌てた反応を?」
意外に鋭い師匠に、私は苦笑をこぼす。
ピンポンピンポン、だいせいかーい!
お見事、師匠!
師匠の言う通り、私はパーカーマンを知っている。
というか。
パーカーマンは、私自身だ。