「アイスでもやって、餌付けしたのか?」


「してない」



ちょっと、たかやん。誤解を生む言い方はやめてくれる?



そもそも餌付けしてないし。

餌付けするメリットがないし。




チラリと、広間の脇にあるソファーに座って怠けている副総長を一瞥した。


神雷に入って結構経つけど、未だに副総長のことがよくわからない。




なのに、なんで。


こんなにも、副総長に私の心を揺さぶられているんだろう。



“わからない”という存在が、怖くてもどかしくて。



少し、興味が湧く。





パーティーの賑やかさに埋もれても、ぶっ倒れるまではしゃいでも、夜中までバカ共が喚いても。


鼻のてっぺんの、副総長の指が触れた部分は、ずっとじんわりと熱を帯びたままだった。