不覚にも、心臓がバックバクだよ。全身が爆発しちゃいそうだよ。


どうしてくれるんだ!



「新入りだけずりぃ!お、俺のも、取ってください凛さん!」


「……めんどい」


「えぇ!?」



さっきの胸キュン必至のシーンテイク2をしようと、桃太郎が自分で鼻のてっぺんにチョコレートクリームを大量につけて頼んだ。


だが、副総長はあくびをひとつこぼしただけで、私にした胸キュン技を再び披露しようとはしなかった。



はあ!?

めんどい?めんどいだと!?


だったら、なんで私の時はめんどくなかったんだ!!



桃太郎にもやってあげなよ!


桃太郎に嫉妬心を纏った敵意を向けられてる私の身にもなって!




「あの凛に気に入られてるなんて、お前何したんだよ」


「な、何もしてないよ!」



たかやんが自慢げにチョコレートケーキを食べながら尋ねてきて、私はたかやんのチョコレートケーキを欲しそうにしながら答えた。



副総長が、私を気に入ってる?

そうなの?


それが本当なら、理由を聞きたいのはこっちの方だ。



私、副総長に気に入られるようなことしたっけ?