経験してるからわかる。

師匠のゲームへの熱意は、眠気を食い殺すほどだ。



……あれは、生き地獄だったなぁ。




「そうだね。じゃあ、チョコレートケーキでも食べようか」


「はい!」



やったやった!チョコレートケーキだ!


そう、私はこれを食べるために、居残りを頑張ったんだ。


やっと食べられる!




チョコレートケーキは、まだ切り分けられていなかった。


せっかくだから私が切ってあげようと、脇に置いてあったケーキナイフに手を伸ばす。



すると、急に横からヌッと出てきた手と、私の手がぶつかってしまった。



「あ」

喉から、一音だけ漏れた。



横を見ると、今日も瞼が半分しか開いていない副総長がいた。


この手は、私と同様に食い意地の張ってるあなたのでしたか。