私はテーブルからナプキンを取って、師匠の口元の汚れを拭いてあげた。


私って、スーパー優しいな。



「今、師匠って呼んだ?」

「えっ」


あれ?呼んだ、かな?



……あ、記憶を遡ってみたら、確かに呼んでました。呼んじゃってました。


咄嗟のことで、つい。



どうしよう!



「わあ、すごいや。呼び方まで、俺の知り合いと同じだ!」


どこまでも鈍いな、この人は。



焦って損した。


これだけ似てる要素があっても、別人だと思えるなんて。



逆に、どうしたら同一人物だって気づくのか知りたいくらいだよ。



「これがゲームだったら、きっとこの後……」


「2次元トークはあとで聞きますので、今はパーティーを楽しみましょう」



師匠がゲームについて語りだすと、パーティーが終わるまで続いちゃうから、早目に切っておかないと。