「ふふふ、そっかそっかー。僕は神レベルにかっこいいか」


「……え、あ、う、うん?」


「さっすが、幸珀!見る目あるねぇ!わかってるぅ~」



弘也は満面の笑みを咲き誇らせながら、私の背中をバシバシ叩いた。


痛っ。ちょっ、ちょっと、痛いって!



もしかしなくても、全力で叩いてるでしょ!?



「そこまで僕を崇拝してくれてるなら、仕方ない!学校ではできるだけ会わないようにしてあげるよ」


「ど、どうも」



崇拝というワード、一度も使ってないんだけど。


この人の耳は、大丈夫なんだろうか。



ちょっと……いや、すごくオーバーな妄想を付け加えられてしまった。



否定したらせっかくの嘘が水の泡になっちゃうから、肯定しておくけどさ。


弘也のナルシストなところは、賞賛に値するよ。それくらい凄まじい。




「弘也が騙されやすくてよかったな」


「神レベルに愚鈍な弟を持って、大変だねたかやん」


「おう、わかってくれるか」



私とたかやんが影でそう話していたことを、弘也は露ほども知らない。