「あれ?でも、なんで幸珀は学ラン?……まあなんでもいっか~」



弘也とたかやんが同じ苗字だということには、最初から引っかかっていたけれど、偶然だと思ってそこまで気にしなかった。



いや、偶然だと思いたかったんだ。


だって、もしも偶然でもなんでもなかったら、さらにはちゃめちゃになって苦労する予感しかしなかったから。




「一応教えておくけど、京と凛と桃太郎と真修は隣の学校だよ」



情報提供ありがとうございます、弘也クン。



でも、そんな情報、微塵も興味ないです。


ちょっと軽くパニクっていて、それどころじゃないです。




……待って。

ということは、学校で弘也とすれ違う可能性があるってこと?



それ、危険すぎない?


私の正体が暴かれる確率が、急上昇してない?



逆に、今まで学校で、同学年である弘也と会わなかった方が奇跡だ。


私、すごくない?



神様がいたずらに、修羅場を避けてくれたのかな。




「今度、鷹也のクラスに遊びに行ってみよっかな」


「ダ、ダメ!!」


「えー、なんで?」


「え、えっと……ひ、弘也の神々しさを学校でも直視しちゃうと、目と心臓がポンコツになっちゃうから……」