「た、た、た、たかやんんん!?」
「こ、こ、こ、幸珀ううう!?」
1分経過してようやく響いた、驚きの叫び。
なんでここにたかやんがいるの!?
たかやんが、神雷の元総長で、現幹部!?
んなアホな。
誰か、ドッキリと書かれた看板を持ってここに来てくれ。早く。「騙されちゃったてへ」って天然キャラで言ってやるから。今ならパンチ一発で許してやるから。ねぇ。ほら。早く。
……脳内でそう急かしても、誰も来ませんでした。当たり前ですね。
待って、一旦整理させて。
えーっと、目の前にいるのが、今日から復帰の幹部で、私の隣の席の常識人で、私を放って帰っちゃったあいつで。
それで、今私は、変装して男と偽っていて。
だけど、いつも一緒にいるあいつには、すぐに私の正体がバレてしまって驚かれて……って、しまった!!
まずい。盛大にまずい。
私が女だとわかっている人が、真修に加えて、もう1人増えてしまった。
「お、おまっ、なななな何してんだよ!」
「なに?知り合い?」
「知り合いも何も、こいつは……んぐっ!?」
「た、たかやん!ちょーっといいかな?」
勝手にバラされる前に、たかやんの口を躊躇なく手で塞いで、たかやんと共に広間の脇に逃げた。