「久しぶり」

「蓮見が参加するなんて、正直意外だわ。お前、こういうの興味ないと思ってたし」


興味も何も、あたしは自分がこれから何処に向かおうとしているのか?わかっていない。


「こういうのって?これから、どこに行くの?」

「千郷。お前、話してないのか?」

「夜の集まりとは言ったけど・・・」


それで伝わるほど、あたしは今いる世界をまだ理解していない。


「そこまで言って、わかんねぇの?蓮見」

「わかんない。あたし、今日北棟に移ったから」

「今日って、転校して来たのか?」

「違うよ。あたし、南棟の生徒だったから」


そこまで言うと、晃一は何かを理解したようだった。


「千郷。南棟だった蓮見に、それだけで伝わるわけねぇだろ。南棟なんて、お勉強ばっかの子しか居ねぇんだから」


そう言い、晃一は諦めたように車を発進させた。