約束の時間よりも、千郷は早く家に現れた。


「おばさん、久しぶり~」

「あら、千郷ちゃん。ホント、久しぶりねぇ~」


千郷は、お母さんと仲良く話し出す。


「蓮見のこと、借りるね?」

「・・・あぁ、玲ね。呼んでくるから・・・」

「もう、居るよ」

「玲!居たの?」


突然現れたと思っているお母さんは、驚く。


「うん。お母さん、話長すぎだよ」

「だって、久しぶりなんだもの。ねぇ?」

「ねぇ~」


お母さんの言葉に、千郷は首を傾げる。


「行こう」

「うん。じゃ、おばさん借りてくね?」

「行ってらっしゃい。明日も学校だから、日付が変わる前には帰って来るのよ?」


お母さんの言葉に頷き、千郷と一緒に家を後にした。