あたしはもう一度、視線を彼女たちに向けた。

すると、1人の女子生徒と目が合う。

こんな感じの、子だったっけ?

あたしが知ってる千郷と、全然違う。

ただ、同じ名前だっただけか。

今日何度目かになるため息を零し、お弁当の箸を進めようとした。

だけど、それは即座に阻止された。

箸を持っていた手を、掴まれたから・・・

あたしの手を掴んだのは、千郷と呼ばれていた彼女だ。


「蓮見?」


マジマジとあたしのことを見ながら、尋ねられる。

それに、あたしは小さく頷く。


「だよね?!あたし、千郷!!わかる?」

「綾野さんのとこの、千郷?」

「そうそう!なんで?なんで、居んの?」


千郷は興奮気味に、あたしに絡む。