でも彼らには、須郷の言葉が効いたみたいだ。

その後、あたしのことを聞く者はいなかった。

自分の仕事を済ませた須郷は、サッサッと教室から居なくなる。

あたしはクラスメイトである、彼らのことを観察する。

誰に近付けば、あたしはより早く目的を成し遂げられるだろうか?

そんなことを考えながら、あたしは学校生活が始まった。

授業中だと言うのに、教師の話を聞く者はいない。

聞くどころか、妨害する生徒もいる。

そんな生徒たちを注意する教師も、北棟にはいないようだ。

これが、こっちの世界の普通なのだろう。

別に、それは構わない。

あたしの邪魔をしなければ、何ら問題はない。

だけど邪魔をする人間も居なければ、あたしに手を貸してくれそうな人間も居ない。