チリワインの白は、辛口だけど口に入れた途端にふわっと鼻から抜ける甘酸っぱい香りが好き。
料理の前にワインで乾杯した。
部長は一口飲むと、「うまい。」と静かに言った。
よかった。
その部長の表情を見て安心する。ショウヘイと顔を見合わせて安堵の表情を浮かべた。
「部長、もうすぐ退職されるんですね。寂しくなります。」
私は、運ばれてきたピザを部長のお皿に取り分けながら言った。
「僕もです。営業時代からちょくちょくお声かけて頂いていて、せっかくこれからご一緒できると思っていたのに。」
ショウヘイは部長のワイングラスにワインを注いだ。
そうだったんだ。営業の時から松坂部長はショウヘイのこと知ってたんだ。
「ありがとう。そう言ってもらえたら上司冥利につきるよ。」
いつも上品なものしか食べてるイメージのない部長がピザにかぶりつく姿は新鮮だったし親近感が持てた。
「チーズの伸びがいいねぇ。」
なんて笑いながら、食べていると緊張がほぐれていく。
「君たちは僕がどうして辞めるのか知ってる?」
「知らないです。」
ショウヘイもワインを飲みながら首を横に振った。
「いや実はね。この年にもなってって感じもするが、会社を立ち上げるんだ。まだ社員なんて数人しか確保できてない状況だが、これまでの顧客とのご縁もあって自分が本当にやりたい仕事をしようと思ってる。」
「えー、すごい。でも、また今の地位を退いてまで起業なんて・・・。」
また口が過ぎたのか、ショウヘイが軽く私をにらんだ。
そんな私達を見て部長は大きな声で笑った。
「いいさ、何でも聞いてくれ。今日はそういうことも含めてゆっくり話をしたくてこういう場を設けてもらったんだし。」
「すみません。」
首をすくめて謝った。
「君たちは今自分達が働いてるこの会社のこと好きか?」
部長はふいに真顔になってショウヘイの方を向いた。
料理の前にワインで乾杯した。
部長は一口飲むと、「うまい。」と静かに言った。
よかった。
その部長の表情を見て安心する。ショウヘイと顔を見合わせて安堵の表情を浮かべた。
「部長、もうすぐ退職されるんですね。寂しくなります。」
私は、運ばれてきたピザを部長のお皿に取り分けながら言った。
「僕もです。営業時代からちょくちょくお声かけて頂いていて、せっかくこれからご一緒できると思っていたのに。」
ショウヘイは部長のワイングラスにワインを注いだ。
そうだったんだ。営業の時から松坂部長はショウヘイのこと知ってたんだ。
「ありがとう。そう言ってもらえたら上司冥利につきるよ。」
いつも上品なものしか食べてるイメージのない部長がピザにかぶりつく姿は新鮮だったし親近感が持てた。
「チーズの伸びがいいねぇ。」
なんて笑いながら、食べていると緊張がほぐれていく。
「君たちは僕がどうして辞めるのか知ってる?」
「知らないです。」
ショウヘイもワインを飲みながら首を横に振った。
「いや実はね。この年にもなってって感じもするが、会社を立ち上げるんだ。まだ社員なんて数人しか確保できてない状況だが、これまでの顧客とのご縁もあって自分が本当にやりたい仕事をしようと思ってる。」
「えー、すごい。でも、また今の地位を退いてまで起業なんて・・・。」
また口が過ぎたのか、ショウヘイが軽く私をにらんだ。
そんな私達を見て部長は大きな声で笑った。
「いいさ、何でも聞いてくれ。今日はそういうことも含めてゆっくり話をしたくてこういう場を設けてもらったんだし。」
「すみません。」
首をすくめて謝った。
「君たちは今自分達が働いてるこの会社のこと好きか?」
部長はふいに真顔になってショウヘイの方を向いた。