「な、ないわよ!そんな相手、そのうち見つかるのかなぁなんて考えてただけ。」

思わず慌てて首を横に振った。

「そうなんだぁ。じゃ、見つかったらすぐに教えて下さいね。いくらでも手助けしちゃいますから!」

「ほんと、見つかるといいけど。」

私は複雑な気持ちで笑った。

まさかね。

だって、私の好みのタイプとはほど遠いんだもん。

あんな嫌味で素直じゃない奴、しかも離婚ほやほやで結婚願望のない奴。

例え、私が好きになったって、成就することはほぼ0%なんだから。

って、私が好きになる可能性だってほぼないわよ。

いやだ。

いつの間にか頭の中を澤村ショウヘイが占領していた。

「ねー、随分お腹いっぱいになったし、場所変えない?お茶でもどう?」

頭の中を切り替えるべく提案する。

「いいですね!この近くに新しくできたカフェがあるんですよ。コーヒーがすごくおいしいんです。」

「じゃ、そこ連れてって。」

全てのお皿が空になっていることを確かめると、立ち上がった。

ミユキの分も払って、お店を後にした。

ミユキにつれていってもらったカフェでは、また恋愛話で盛り上がった。

そうそう、ミユキとその年上の彼、体の相性も最高だったんだとか。

ミユキが言うには、そういう相性もすごく大事だって。

ま、今の私にはそれ以前の問題だからスルーしておいたけど。